【ミルスケール除去】鉄のサビを綺麗に！除去方法や鋼鉄の種類

ショットブラスト加工

ミルスケールの除去方法の一つがショットブラスト加工です。加工物の鋼材の表面に、細かい砂やガラスの粒を吹きつけ、表面を削り取る方法です。表面に凹凸ができるので、塗装が密着しやすくなります。手動ショットブラストと自動ショットブラストがあります。手動で細かい粒を吹きつける方法が手動ショットブラストで、複雑な形状の加工物や大型の加工物などに向いています。大量に加工するときには、自動ショットブラスト加工を使用します。小型加工物であれば、カゴのような中で行うブラスト加工も可能です。

酸洗い

塩酸や硫酸などの強酸に鋼材を漬け込み、表面に付着している酸化被膜を溶かして除去する方法です。比較的安価に行える方法で、物理的な力を加えないので歪みを発生させません。強酸という危険な薬品を使用するため、安全面に注意が必要です。

酸洗いは漬け込みが必要になるので、大型加工物では使用できない場合もあります。漬け込んだ対象物の表面は曇りガラスのような表面になるため、光沢を出したいなら、その後に加工物を磨くことが必要です。酸洗い後は、洗浄し加工物を乾燥させます。継ぎ目があるなどの複雑な形状の加工物だと、継ぎ目に薬品が残って変色することもあり、注意が必要です。

炭素鋼

一般的に鋼（はがね）と呼ばれている素材であり、鉄に0.02～2％の炭素を含んでいます。熱処理で形が変わりやすいので、幅広く使われている素材です。マンガンやリンも含んでおり、含有量で強度などの特性が変わります。炭素の含有量に応じて、以下のように分類されます。

SPC材は薄板で丸棒や角棒はなく、冷蔵庫のボディなどの平面に使われます。プレス加工や曲げ加工で使われる材料です。SS材は安価で汎用性が高く普及しており、丸棒から板材まで、様々な形があります。S-C材は歯車のような機械部品に使われます。加工性が高く、焼き入れして材料の強度を高められるため、強度が必要な部分に使用可能です。

SK材は鋼の中でも最も炭素含有量が高く、ドリルなどの工具の材料になり、硬く耐摩耗性があります。ねずみ鋳鉄品は鋳鉄材であり、鋳造性が高いものの、他の材料よりも脆いのが特性です。

合金鋼

炭素鋼に金属を加えた材料です。クロムやモリブデンなどを加えており、強度や機械的性能を高めます。有名なのが鉄にクロムを混ぜたステンレス鋼です。SUS材とも呼ばれており、耐蝕性が高いのが特徴です。

鋳鉄

炭素の他に、ケイ素やマンガン、リン、硫黄などを含む鉄です。溶解温度が低く流動性があるため、鋳造によって製品を製造します。加工しやすく、耐摩耗性や耐熱性、振動吸収性があるので、歯車のような振動や摩擦の多い部分のパーツに使われます。