【重機・表面処理】除去加工の基礎知識！研磨加工とは？

研磨加工の目的

研磨加工で素材表面の粗さをより小さくしていくことは、加工物のツヤや光沢を増すだけでなく、加工物の摩擦係数を減らすことにつながります。さらに、表面が滑らかになることで、その加工物は応力がかかりにくくなり、割れたり欠けたりしにくく丈夫になるのです。

また、水分や汚れが表面に留まりにくくなるため、サビにくくなり、洗浄もしやすくなります。その他、刃物では切れ味をよくするために研磨加工します。また、金型では流動抵抗が低下して、できあがった製品を型から外しやすくするために研磨加工を行うなど、加工物の用途に応じた目的もあるのです。

このように、研磨加工の技術は工学や工業において重要な役割を持ちます。表面処理には、その製品の目的に応じた精密度が求められます。

研磨加工で表面処理する素材

研磨加工はステンレスや鉄、鋼、銅、アルミなどの金属に対して行うことが多いです。砥粒の種類を変えれば、ガラスやシリコン、石材も研磨加工することができます。

重機・表面処理としての研磨加工

貴金属や金属食器などの研磨加工は、加工物にツヤや光沢を与えて外観を美しくすることが主な目的です。研磨加工で重機の表面処理をするのは、次のような目的があります。

研磨布紙加工

研磨布紙加工は固定砥粒加工法の一つで、紙やすりのように砥粒がついている布や紙を使って加工物を磨く方法です。輪になった研磨剤のついた布をベルト研磨機で回転させて、加工物に当てて磨いていきます。

砥石研磨加工

砥石研磨加工も固定砥粒加工法に該当します。砥石に磨きたいものを当てて研磨します。回転する砥石に加工物を当てながら研磨する場合と、包丁を研ぐのと同じ要領で砥石に当てた加工物を動かして研磨する場合があります。

ラッピング研磨加工とバフ研磨加工

ラッピング研磨加工はラップ盤という台に加工物を置き、砥粒を含んだ研磨剤を介し、すり合わせて研磨する方法で、遊離砥粒加工法の一つです。流動する砥粒が回転を続けるラップ盤に加工物を圧しつけて磨くため、精密な平面を出すことができます。さらに、鏡面のような美しい仕上がりを目指す場合は、柔らかいフェルトなどの素材で磨くバフ研磨加工を用いることもあります。

バレル研磨

研磨剤と加工物を入れた容器を振動させたり、回転させたりして研磨する方法をバレル研磨加工といいます。一度に大量の製品を粗く研磨するのに向いている表面処理で、バリを取るために用いられることが多い方法です。

電解研磨

加工物を電解研磨液に浸し、電流を流すことで表面を溶かして研磨効果を得る方法です。研磨とはいっても、磨かずに滑らかさを得ることができます。飛び出した部分から溶解していく性質を利用しています。

加工したい形状や表面などに応じて、適切な方法を選択する必要があります。どの方法を選べばいいのかとお困りの際は、専門業者に相談することで希望に沿った加工を実現できます。